ステロイド塗り薬って何?【市販のステロイド塗り薬のおすすめも紹介】


Aさん
ステロイドがよく効くらしいからステロイド塗り薬を使いたい!

Bさん
市販のステロイド塗り薬って顔にも使えるの?
Cさん
市販のステロイド塗り薬を使うときに気をつけないといけないことって何?

皮膚のかゆみや炎症がひどいときには、「もっと効果を期待できる塗り薬を使いたい」と思うことがあるのではないでしょうか。

そこで思い浮かぶのがステロイド塗り薬ですよね。

しかし、ステロイドという言葉は知っているものの、その中身について知識がない方は珍しくありません。

これでは適切な市販のステロイド塗り薬を選ぶのは難しくなりますし、誤った使い方をしてしまう恐れもあります。

今回は、ステロイドの基礎から市販の塗り薬の選び方や使うときの注意点などを解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

ステロイドって何?30秒でサクッと解説

まずは簡単にステロイドについて頭に入れておきましょう。とはいっても、専門的な用語は出てこないので安心してください。

ステロイドとは、副腎皮質ホルモンの一種で、体内で非常に重要な役割を担っています。

ステロイドの代表的な働きは以下の通り

  • 抗炎症作用
  • 免疫抑制作用
  • 骨代謝
  • 糖代謝
  • タンパク質代謝

いずれも私たちの健康を支える上で必要不可欠なものばかりです。

市販のステロイド塗り薬は、とくに抗炎症作用に注目して、病気の治療のために人工的に開発されました。

しかし、ご存じの方もいるでしょうが、医薬品には主作用だけでなく副作用もあります。



ステロイドの副作用は以下の通り

  • 皮膚が薄くなる
  • 皮膚が赤くなる
  • かぶれる
  • 毛細血管が目立つようになる
  • ”にきび”や”おでき”ができやすくなる/悪化する
  • 薬を塗ったところから毛が生える/増える


必ずしも、これらの症状が出るわけではありません。

大切なのは、用法用量を守って使用することですから、知識をつけて適切な行動を選択できるようになりましょう!

市販のステロイドの塗り薬を使うときの注意点



ステロイドと聞くと、副作用を過度に気にする方も珍しくありません。

しかし、塗り薬の作用は局所的なので、長期にわたる過剰使用を避け、短期間の使用であれば副作用の心配はほとんどありません。

使用期間は1週間程度を目安にしてください。



ミク子
1週間程度使用しても良くならない場合は、他の疾患の可能性もあるので、医療機関を受診しましょう。
例えば、「湿疹かと思っていたら、”にきび”や”おでき”だった!」なんてことも少なくありません。

市販のステロイド塗り薬の強さランキング



ステロイドといっても、その種類はいくつもあり、作用の強さが異なります

「とにかく強ければ、よく効くはず。強めのをください!」という方は少なくありませんが、慌てないでください。

メリットがあればデメリットがあります。ちょうどコインの表と裏のような関係ですね。

くどいようですが、大切なのは適正なリスクをとりつつメリットを受け取ることです。


つまり、自分に合ったステロイドを選ぶ必要があるということ。

参考のためにステロイドを強さ別に紹介します。

全てを頭に入れる必要はなく、「市販のステロイド塗り薬には強弱の幅があるんだな」ということを理解していただければ十分です。

作用の強さ 一般名
strongest (最も強い) クロベタゾールプロピオン酸エステル
very strong(とても強い) モメタゾンフランカルボン酸エステル
strong(強い) ベタメタゾン吉草酸エステル
medium(普通) トリアムシノロンアセトニド
weak(弱い) プレドニゾロン

「very strong(とても強い)」と「strongest(最も強い)」に分類されるステロイド塗り薬は、医療用医薬品のみに用いられています。

これは、医師や薬剤師などの専門家の管理が必要とされているためです。

とはいえ、他の3種類に分類されるステロイドに効果がないという意味ではありません。

あくまで強弱による分類であり、「今の自分に適切な作用の強さのステロイド塗り薬はどれだろうか?」という軸で選ぶのがポイントです。

市販のステロイド塗り薬の使い分け方

市販のステロイド塗り薬を選ぶときには、作用の強さだけを基準にするのではなく、症状によって使い分けることも重要です。


例えば、以下のような使い分けが考えられます。

  • 皮膚の炎症を抑えたいだけなら、ステロイドのみが含まれている塗り薬
  • 炎症だけでなく「かゆみ」も改善したいなら、ステロイドとかゆみ止めが含まれている塗り薬
  • 炎症だけでなく「化膿」対策もしたいのなら、ステロイドと抗生物質が含まれている塗り薬

ただし、成分名を見ただけで自分の症状に合った市販のステロイド塗り薬を選ぶのは簡単ではありません。

ご自身の症状を薬剤師や登録販売者に説明して手伝ってもらいましょう。

市販のステロイド塗り薬を紹介

ミク子
ステロイドの基礎について簡単に解説してきましたが、これだけでは実際に商品を選ぶのは難しいかと思います。ここでは市販のステロイド塗り薬の中から、ステロイドの強さごとにいくつかご紹介します。
病院に行く時間がなくドラッグストアで購入するときの参考にしてみてください。

strong(強い)

炎症がひどい場合には、strong(強い)ステロイド塗り薬を選びましょう。

ただし、皮膚が薄く効果が強く出すぎてしまう恐れのある顔や小さなお子様には向いていないので注意しましょう。皮膚が弱い方やお子様には、week(弱い)ステロイド塗り薬を選ぶのが適しています。

市販のstrong(強い)ステロイド塗り薬は以下の通り

フルコートf
リンデロンVs

  • フルコートf
  • ベトネベートN
  • リンデロンVs

medium(普通)

炎症が中程度の場合には、medium(普通)ステロイド塗り薬を検討しましょう。

「炎症の程度が自分ではよくわからない」という方は薬剤師もしくは登録販売者の方に相談してみくださいね。

市販のmedium(普通)ステロイド塗り薬は以下の通り

アレルギールSK
ムヒアルファEX
テレスHi

  • アレルギールSK
  • ムヒアルファEX
  • テレスHi

weak(弱い)

炎症が軽度の方、皮膚が弱い方、もしくは小さなお子様はweak(弱い)ステロイド塗り薬を検討しましょう。

「ステロイドは使いたいけど、副作用が心配…」と感じる方もweak(弱い)ステロイド塗り薬が良いでしょう。

市販のmedium(普通)ステロイド塗り薬は以下の通り

コートf MD軟膏
ドルマイコーチ軟膏
テラ・コートリル軟膏a

  • コートf MD軟膏
  • ドルマイコーチ軟膏
  • テラ・コートリル軟膏a

使ったことがある市販のステロイド塗り薬なら安心という勘違い

「前にこのステロイド塗り薬を使って効果があったから、今回も大丈夫だろう」と思う方は少なくありませんが、そう単純ではありません。

これは、使用する場所によって最適なステロイド塗り薬は異なるためです。



例えば、皮膚が薄い場所ほど、薬は吸収されやすいとされているため、効果が出やすくなります。

ファッションにTPOがあるように、医薬品にもTPOがあります。

過去の成功体験をそのまま当てはめるのではなく、今の自分に合うものをその都度選ぶようにしましょう。


まとめ:自分に合った市販のステロイド塗り薬を選ぼう

ステロイドには体内での様々な働きがあり、そのうちのひとつが抗炎症作用です。

市販のステロイド塗り薬はこの抗炎症作用に注目して開発されたものですが、その強さに応じてランク分けされており適正に使用する必要があります。

適切に選ばないと、副作用に悩まされてしまう恐れがあるためです。患部や年齢を考慮して、最適な強さの市販のステロイド塗り薬を選ぶようにしてください。

ミク子
また、市販のステロイド塗り薬には、抗炎症作用だけでなく「かゆみ」を抑える成分を含むものもあるので、薬剤師もしくは登録販売者の方に相談して自分に合ったものを選ぶものにしましょう。

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ドラッグミック編集部です。薬剤師、管理栄養士、登録販売者、メーカー・卸と連携してさまざまなコンテンツをアップいたします。 おもしろかった、ためになったと思ったらぜひシェアしてあげてください!