「乾燥する季節になると肌が乾燥してかゆくなる」
「かゆみだけじゃなくて、ひび割れして水仕事がつらい…」
「肌荒れのお薬を飲んでるけど、改善しない…」
そこで今回は、
- 肌荒れと勘違いしやすい乾燥性皮膚炎
- 乾燥性皮膚炎におすすめの市販薬
- 今日から簡単にできる乾燥性皮膚炎対策
を中心に解説します。
空気が乾燥する冬の時期に赤みや湿疹にお悩みの人や、アンチエイジングに興味がある人は、ぜひ最後までお読みください。
乾燥性皮膚炎をサクッと解説
乾燥性皮膚炎は、皮脂欠乏性湿疹(ひしけつぼうせいしっしん)とも呼ばれます。
つまり、お肌の表面の皮脂が少ない状態です。
皮脂と聞くと、「お肌をテカテカにする天敵」のように思う人もいますが、これは勘違い。
なぜなら、皮脂こそが膜となり、水分や天然の保湿成分を含む角質層を守ってくれているからです。
皮脂が少なくなってしまうと、角質層の水分が蒸発しやすくなり、肌の弾力性が損なわれます。その結果、ひび割れしたり、皮がむけたりします。
これが乾燥肌の症状ですが、放置したり、適切な対策をしなければ次の症状が現れることがあります。
- かゆみ
- 湿疹
これこそが、乾燥性皮膚炎。
皮脂はなくてはならない大切なものです。私たちの身体に不要なものなどありません。
正しく理解することから始めましょう。
湿疹を放置してはいけません
湿疹は異変を告げるお肌からのSOSです。湿疹はお肌の火事のようなもので、体は火を消そうとしてターンオーバーを早めます。
ある意味、暴走とも言えます。
がんばるあまりに自分を傷つけてしまっているのです。
ますます乾燥が進んでしまうのがネック…。これでは、治るものも治りません。
乾燥だけでなく、赤みなどの湿疹がみられる場合は、乾燥性皮膚炎かもしれません。
適切な処置を検討しましょう。
キレイにしようとするからボロボロになる【洗い過ぎはやめましょう】
皮脂が少なくなってしまう原因は乾燥だけではありません。
洗いすぎも皮脂を失い、乾燥を加速させてしまいます。
朝から晩までがんばった心と体をスッキリさせる命の洗濯とも言える入浴ですが、やりすぎはよくありません。
ゴシゴシ洗いは控えるようにしましょう。
乾燥性皮膚炎におすすめの市販薬
乾燥が気になるものの、ドラッグストアやECサイトを覗いてみると、商品のあまりの多さに何を選べばいいのかわからない方もいます。
とはいえ、皮膚科を受診して処方してもらう時間もないとなると、知名度だけで購入してしまう方もいます。
ここでは、
- 湿疹が気になる方
- 乾燥が気になる方
に分けておすすめの市販薬をご紹介します。
乾燥の程度や目的に合わせて、選ぶときの参考にしてみてください。
湿疹が気になる方
湿疹、つまり炎症が気になる方にはステロイド外用薬がおすすめです。ステロイドには強い抗炎症作用があり、過剰な免疫反応を抑えられます。
「ステロイドって副作用があるんじゃないの?」と心配する方もいますが、外用薬は内服薬と異なり患部にしか塗らないので影響は最小限に留められます。
市販薬でおすすめのステロイド外用薬は次の3つです。
- リンデロンVs軟膏
- フルコートF軟膏
- コートf MD軟膏
シオノギ製薬 リンデロンVs軟膏
リンデロンは医療用現場で用いられることが多い、「リンデロンV軟膏」のOTC薬です。何と言っても、古くから使われてきているため、副作用などが予測しやすいのは大きなポイント。さらに保湿力が高い軟膏タイプであることも見逃せません。
田辺三菱製薬 フルコートF軟膏
次にフルコートf軟膏ですが、フルオシノロンアセトニドという市販されているステロイドで最も強いストロングステロイドが有効成分です。ほかにもフラジオマイシンという抗生物質も配合されているので、かきむしってしまい化膿が心配な方におすすめです。
田辺三菱製薬 コートf MD軟膏
デリケートな赤ちゃんの肌の湿疹が気になる方は、コートf MD軟膏であれば使用できます。これは、ステロイドの中でも作用が弱い「プレドニゾロン」を配合しているため。
なお、長期的にステロイドを使用した場合は皮膚が薄くなったりすることもあるので、用法用量は守りましょう。
乾燥が気になる方
湿疹はないものの、乾燥とかゆみが気になる方には、保湿成分や保護成分を含んだ外用薬がいいでしょう。
例えば、以下の3つがおすすめです。
- プロペト ピュアベール
- メンソレータムAD20クリーム
- Saiki さいき
第一三共ヘルスケア株式会社 プロペト ピュアベール
「プロペト ピュアベール」はワセリンの一種であるプロペトを配合した医薬品です。ワセリンには種類があるのですが、プロペトは黄色ワセリンや白色ワセリンと比べて純度が高く肌への刺激が少ないとされているのが特徴。保湿しつつ、外部の刺激から肌を守ります。
ロート製薬 メンソレータムAD
「メンソレータムAD20クリーム」は保湿効果のある尿素を20%配合しているのが特徴です。さらに、クロタミトンやジフェンヒドラミンといったかゆみ止め成分も含まれているので、乾燥とかゆみの両方を鎮めたい方におすすめ。
小林製薬 Saiki さいき
「Saiki さいき」はヘパリン類似物質を含んだ医薬品です。ヘパリン類似物質には、保湿・抗炎症・血行促進作用があるため、慢性的な乾燥により肌が荒れている方におすすめです。
なお、医薬品だけでなく医薬品部外品にもヘパリン類似物質が含まれている場合があります。両者の違いについては、知っておくべきヘパリン類似物質の医薬品と医薬部外品の違い【化粧品についても解説】で解説しているので興味のある方は御覧ください。
今日から簡単にできる乾燥性皮膚炎対策
ここでは、今日から手軽にできる乾燥性皮膚炎対策についてご紹介します。
乾燥性皮膚炎の原因は乾燥なので、乾燥の原因さえ抑えておけば怖くありません。
乾燥の原因はいろいろありますが、代表的なものは以下のとおり。
- 紫外線
- 生活習慣
- 加齢
つまり、紫外線対策をしつつ、規則正しい生活習慣を取り入れ、積極的にアンチエイジングを実践するしかないわけです。
当たり前かと思うのですが、これ以外にありません。
とはいえ、これで終わってしまっても何をすればいいかわからない人もいるかと思うので、以下のことを実践してみてください。
- 出かけるときは日焼け止めを塗る
- 加工食品の量を減らす
- ぷち断食をする
- 夜はスマホなどのデジタルデバイスを使わない
- 1日30分のウォーキング
- お風呂上がりや洗顔後の保湿
一見すると、お肌には直接関係ないようなこともありますが、炎症対策や睡眠の質に関わることはお肌にも影響するのでピックアップしました。
今のようにスマホなどのデジタルデバイスが身近でなかったときには普通に行われていたものなので、無理なく取り入れられるのではないでしょうか。
自分にフィットするスキンケアを選ぼう
乾燥肌は甘く見ると、症状が悪化して乾燥性皮膚炎となり、湿疹やかゆみを引き起こします。
日々の丁寧な生活習慣が物を言うわけですが、緊張とストレスの連続の毎日で丁寧な暮らしを送るのは難しいと感じている方も少なくありません。
そこで活用したいのが医薬品。
最近は医療用医薬品と同用量の医薬品もドラッグストアで手に入るようになったので、ぜひ今回の記事を参考にして早めの乾燥性皮膚炎対策をしてみてください。
もちろん、できる範囲で少しずつ生活習慣を整えることもお忘れなく!