ヘパリン類似物質配合の商品をドラッグストアで探してパッケージを見比べていると、「医薬品」と「医薬部外品」があることに不思議に思った方もいるのではないでしょうか。
今回は、医薬品と医薬部外品の違いや注意点、ヘパリン類似物質の効果と注意点を解説します。ヘパリン類似物質が配合された商品を選ぶときの参考にしてみてください。
また、最近は機能性を高めた医薬品に配合される化粧品も登場してきているので化粧品についても簡単に解説しておきます。
ヘパリン類似物質配合の医薬品と医薬部外品で迷ったら【自分のニーズを知ろう】
スキンケア用品、栄養ドリンク、整腸剤、育毛剤などは、薬機法で医薬品・医薬部外品・化粧品のいずれかに分類されます。医薬品が一番優れていて医薬部外品や化粧品は劣っているように思うかもしれませんが、そうとも限りません。
大切なのは、自分のニーズを知ることです。自分のニーズに合った選び方をしないと満足できる商品を選べない恐れがあります。
例えば、包丁がほしいとしましょう
毎日料理をする方と週末しか料理をしない方とでは包丁に求めるものが違うのではないでしょうか。毎日料理をする方なら、切れ味がよくメンテンスの手間がかからない包丁が理想的でしょうし、砥石などにもこだわるでしょう。一方、極論ですが、週末しか料理をしない方であれば「切れれば問題ないから100均の包丁でいいや」と考える方もいるはず。
このようにニーズが違えば、求めるものは変わってきます。そこで気になるのは医薬品や医薬部外品を選ぶ時の基準です。次の2つを基準にするといいでしょう。
- 目的
- 買いやすさ
順番に解説していきます。
目的
薬機法では、医薬品と医薬部外品の目的は次のように定義されています。
- 医薬品:疾病の診断、治療または予防に使用されることが目的とされているもの
- 医薬部外品:吐きけなどの不快感または口臭もしくは体臭の予防や、あせも、ただれなどの防止、脱毛の防止、育毛または除毛などを目的としており、人体に対する作用が緩和なもの
つまり、治療したい方は医薬品を、不快感を緩和したいなら医薬部外品を選ぶと自分のニーズとのミスマッチを防げます。
自分ひとりで判断できない場合は、薬剤師や登録販売者の方に相談してみるのもいいでしょう。
買いやすさ
医薬品は薬局やドラッグストアでしか販売できませんが、医薬部外品はスーパーやコンビニなどの一般的な小売店でも販売可能です。これは、厚生労働省が「作用が比較的ゆるやかで、薬の情報提供が必要がない」と判断したためです。
医薬品も医薬部外品も厚生労働省の認可は必要なものの、医薬部外品に関しては販売についての規制がないので薬局やドラッグストアが閉店している時間でもコンビニなどでセルフケアができるのは見逃せません。
再確認しておきたいヘパリン類似物質の効果と注意点【医薬品・医薬部外品共通】
医薬品と医薬部外品のどちらを購入すればいいか迷ったときの選択基準について解説しましたが、ここではヘパリン類似物質の効果と注意点を解説します。ヘパリン類似物質の効果と注意点を知ることで、医薬品と医薬部外品のどちらを選べば良いのか判断しやすくなるでしょう。
ヘパリン類似物質に期待される効果は以下の3つです。
- 保湿
- 血行促進
- 抗炎症
ヘパリン類似物質は体内の水分子を引き寄せて保湿する特性を持ち、水分の蒸発を防ぐことで保湿するワセリンとは作用が異なるのが特徴。
つまり、ヘパリン類似物質は肌の潤いを保つ機能を改善することで保湿効果を発揮するわけです。一時的な保湿ではなく、慢性的な乾燥による肌荒れの根本的な解決に繋がる可能性が期待できるのは心強いのではないでしょうか。
血行を促進するはたらきがあるので傷あと、やけどの跡を治しやすくする成分としても知られています。抗炎症作用により、皮膚の荒れを鎮める効果があるので、乾燥が原因の肌荒れの治療としても使われることがあります。実際に乾燥で症状が悪化しやすいアトピーの治療薬としても使われていることから効果の高さが伺えます。
以上が、ヘパリン類似物質に期待できる3つの効果ですが、実際に商品を選ぶとなると「パッケージや成分を見ただけでは商品の特徴がわからない。自分に合ったヘパリン類似物質の商品はどれなんだろう」と悩む方もいるでしょう。
おすすめのヘパリン類似物質配合の市販薬10選【もう病院まで行く必要はありません】では、ヘパリン類似物質配合の市販薬を厳選して紹介していますので参考にしてみてください。
ヘパリン類似物質を使用するときの注意点
独立行政法人医薬品医療機器総合機構のレポートによると、処方薬「ヒルドイド」を使用した0.93%に副作用が認められたとのことです。このように、ヘパリン類似物質は副作用の発生頻度が少なく赤ちゃんから高齢者まで使用できるとされていますが、副作用がないわけではありません。
他にも、ヘパリン類似物質には血行を促進させるはたらきがあるので、血友病や血小板減少など、出血性の血液疾患のある方や出血しやすい方は医師や薬剤師に相談するとよいでしょう。
【注意】医薬部外品に副作用がないと勘違いしていませんか?
「医薬品は副作用がありそうだから、副作用のない医薬部外品を選んでおけば安心」と思っている方もいるのではないでしょうか。残念ながら、医薬部外品にも副作用がないわけではありません。
実際に医薬部外品である薬用化粧品による皮膚障害が発生した事例もあり、厚生労働省は行政への副作用報告制度を2014年4月1日に改正しました。
大切なのは、自分の思い込みで判断しないことです。かかりつけの医師、薬剤師や登録販売者に相談して事実を考慮した上で自分のニーズに合うものを選びましょう。
ヘパリン類似物質配合の化粧品は効果がないの?【有効成分が全てではありません】
ヘパリン類似物質は医薬品や医薬部外品だけではなく化粧品に配合されている場合もあります。「医薬品、医薬部外品、化粧品のどれを選べばいいのかわからない!」と思ったことがある方もいるのではないでしょうか。
結論からお話すると、美容目的でヘパリン類似物質を使用したい方は化粧品を選ぶといいでしょう。
人の体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、または皮膚もしくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗布、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされているもので、人体に対する作用が緩和なもの。
繰り返しになりますが、自分が何を求めているのかを明確にするのことが大切です。例えば、乾燥肌の治療をしたいのでしたら、医薬品を選ぶのが最適でしょうし、化粧品にプラスαの機能性を求めるなら化粧品のほうが満足度が高いでしょう。
ヘパリン類似物質配合の医薬品と医薬部外品の違いを理解して自分にぴったりの潤いケアを見つけよう
ヘパリン類似物質は医薬品、医薬部外品、化粧品に含まれています。医薬品、医薬部外品、化粧品の特徴を知らないと、自分に合ったものを選べない恐れがあります。
自分に合ったものを選ぶためには自分のニーズを知ることも同じくらい大切です。
とはいえ、自分のことは意外にわからないもの。困ったときには薬剤師や登録販売者に相談して自分にぴったりのヘパリン類似物質が配合された商品を選びましょう!
「例えば、お酒を飲みすぎて吐き気や胃もたれに悩まされているとしましょう」
夜間に営業している薬局やドラッグストアは限られていますが、コンビニであれば営業していることが多いのでスグに医薬部外品でケアをすることができるのは頼もしいのではないでしょうか。