SNS、メッセージアプリ、YouTube、Netflixなどでアッという間に時間が過ぎていて驚いた経験はありませんか?
その結果、やろうと思っていたことは後回しにされがちな方は少なくありません。人生を豊かで幸福なものにするためのデジタルデバイスが限りある時間を奪っていくのですから皮肉です。しかし、問題はそれだけにとどまりません。
デジタルデバイスの長時間の使用は心身の不調の原因にもなります。デジタルデバイスとの付き合い方を間違えたまま放置すると時間がガンガン減っていく上に、QOLもボロボロになる恐れがあるということです。
今回は、デジタルデバイスによる悪影響を一瞬で解決するデジタル・デトックスについてご紹介します。本来のあなたの時間とQOLを取り戻すためにも参考にしてください。
デジタル・デトックスとは?
デジタル・デトックスとはスマートフォンなどのデジタルデバイスから距離をおいてストレスから心身を守ることです。
言うまでもありませんが、デジタルデバイスは私たちの生活を驚くほど便利にしてくれました。ECサイトを利用すれば出かける必要はなくなり、キャッシュレスでサクサク会計はできますし、ストリーミングでお気に入りの音楽や映画を持ち歩くことができるようになったりと具体例を挙げればキリがありません。
問題はテクノロジーの進化ではなく、私たちの脳が追いついていないことです。
あなたの脳は限界かもしれません
約600万年という長い時間をかけて進化を遂げてきた脳は原始的な環境で生活することには最適化されていても、高度情報社会に適応するようにはそもそもできていません。
高度情報社会と言っても今を生きる私たちにとっては日常ですから過去と比較してみましょう。驚くことに、現代人が触れる情報量は平安時代の一生分、江戸時代の1年分とも言われています。
内臓は悲鳴をあげますし、気分も最悪のはず。なぜなら食べられる量には限りがありますし、消化にもエネルギーが必要だからです。
脳も情報という食事を処理することに疲れ切っています。
デジタル・デトックスのメリット
デジタル・デトックスは脳への負担を減らし、人生に開放感をもたらすという報告もあります。
ホッと一息つきたいのは脳だって同じ。
脳にとっての休息になる以外にデジタル・デトックスには次の4つのメリットが期待できます。
1.時間が生まれる
デジタルコンテンツは一度見始めると関連動画などが提案される仕組みになっています。その結果、ダラダラと観続けてしまう可能性があるのですが、デジタル・デトックスをすると根本から解決されるので時間を浪費する機会が激減します。
2.睡眠の質が改善される
デジタルデバイスが発するブルーライトは脳を刺激して回復モードに入るのを妨げて睡眠の質を低下させます。回避するにはブルーライトカットメガネやデバイスの設定を調整するなどの工夫も有効ですが、最も有効なのはデジタルデバイスに触れないこと。
3.メンタルヘルスが改善される
SNSに投稿すれば「いいね」がついているかソワソワしますし、他人と自分を比較して劣等感を感じることもあるでしょう。さらにアプリの通知で集中できずにイライラすることもありメンタルが整う時間がありません。言い換えれば、SNSなどを利用しなければ、メンタルが乱される機会がないわけです。
4.眼精疲労や肩こりが改善される
デジタルデバイスを使っていると前のめりの姿勢になり肩や首に過剰な負担がかかり肩こりに悩まされます。しかも、まばたきの回数は減り、眼の周りの筋肉は緊張しっぱなしで眼は疲労困憊です。放置しておくと目の下のシワの原因にもなりかねません。眼精疲労による目の下のシワを改善したい方は
「誰でもできる定番の眼精疲労対策で目の下のシワを防ごう」をご覧ください。
デジタル・デトックスをすると起きる心の変化【開放感】
デジタル・デトックスを行うと退屈と孤独感に襲われるという観察研究がありますが、怖がる必要はありません。退屈と不安は過ぎ去り、集中力は上がり、満足度は上がると報告されています。デジタル・デトックスを始めて不安を感じても変化の前兆と捉えておきましょう。
それに温泉や田舎に訪れると最初は何もないと感じたものの、しばらくすると何とも言えない開放感に包まれた経験は誰しもあるはず。デジタル・デトックスで得る開放感も本質的には同様でしょう。
デジタル・デトックスの方法
現代人が今さら自分の意志だけでデジタル・デトックスを行うのは無理筋です。
そこで提案したいのはデジタル・デトックスの、ちょい足し。
1.デジタル・デトックスを宣言する
まずはデジタル・デトックスをすることを宣言しましょう。宣言すれば、後には引けなくなるからです。宣言したのに実行しなかったら恥ずかしいと思いますよね。その心理を利用しましょう。
2.デジタル・デトックスのマイルールを決める
デジタル・デトックスを成功させるコツはルールを明確にすることです。明確にするほどに、脳にとって行動のハードルは下がるからです。「何が食べたい?」と質問をして「何でもいいよ!」と答えられたら困るのと似ていますね。
効果的なルールと具体例を紹介するので参考にしてください。
- デジタル・デトックスをする時間を決める:寝る1時間前はデジタルデバイスを触らない
- プッシュ通知はオフにする:緊急でないアプリの通知はオフにする
- アプリの使用時間を制限する:動画視聴アプリは1日時間までにする
- メッセージの返信時間を決める:17時〜18時までの間にまとめて返信する
3.デジタル・デトックス中の行動を決めておく
予めデジタル・デトックス中の行動は決めておきましょう。決めておかないと退屈や孤独感に流されてデジタルデバイスに手が伸びるかもしれないからです。行動を決めるコツは紙に書き出すこと。制限時間を設けて思いつくままに紙に書きなぐりましょう。
参考までに、デジタル・デトックス中におすすめの行動をピックアップしておきます。
- 読書
- 料理
- 運動
- 入浴
- 日記
- 瞑想
あなたがリラックスできるものなら何をしても構いません。あまり考え込まずにまずはやってみましょう。
4.物理的にデジタルデバイスを利用できなくする
「私は意志の力が弱くて新しい習慣を身につけるなんて難しい…」と悩む方もいるでしょう。解決策は制限時間内は開けることのできないボックスにデジタルデバイスを入れてしまうことです。
少々、暴力的に感じるかもしれませんが、意志の力を使う必要が低いという点でおすすめです。Amazonなどで調べると手頃な価格で手に入りますよ。
デジタル・デトックスで自分の時間を取り戻そう!
私たちの生活に欠かせなくなったデジタルデバイスですが、付き合い方を間違えてしまうと脳と身体の誤作動の原因になります。とはいえ、デジタルデバイスを捨てて山奥で自然のまま生活するなんてことは不可能ですよね。
最初は何をしていいか分からずに不安かもしれませんが、脳の状態がリセットされると思った以上に自由に使える時間があることに驚くことでしょう。あなたの時間を取り戻すのは簡単です。
まずは、3分でもいいのでデジタルデバイスから距離を置いて、ずっとやりたいと思っていたことを紙に書き出してみてはいかがでしょうか。
完全にゼロを目指すのではなく、日常の中で無理のない範囲でオフラインの時間を確保するのが現実的でしょう。ここでは脳の仕組みと心理学を利用してデジタル・デトックスを実践する方法を紹介します。